運動空間 #1
December 2001
『運動空間 #1』は、演劇が“演劇”にすぎないことに自覚的な作品である。
演劇が、演劇にすぎないと自覚すること。
それは、語りによって隠蔽された虚構性を暴くこと、虚構性を観客に気付かせること、
もっと言うなら、虚構性に気付いた観客が同時代の問題系への認識を持つことなどである。
これらは、モダニズムの演劇人たちが高らかと掲げた理念であるが、
すでに、笑いを誘発させるための常套手段になるまでに定着している。
…と言いつつも、演劇を製作するためには、それが演劇であると自覚せねばはじまらない。
よって、本作品では、演劇の“始まり”が宣言され、“終わり”が暴露される。
この二項対立のなかに、閉じこめられているものこそが、虚構なのである。
- テキスト・演出
- 宗方勝(bug-depayse)
- 出演
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柴田貴輝(bug-depayse)
小川永子
栗原アタ
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音響・美術
企画・制作 -
宗方勝
藤原勝(bug-depayse)