Mixture—An Impossible Thing

December 2006

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おそらくそれが楽だから

弱者と強者。この自然の関係性の中で、我々は歴史を認識する生物として、社会を形成し、文明を築きあげている。その人間の営みの中で、生まれもって逃れられない重さを背負っている者たちがいる。大多数の彼らと我々。彼らは我々なのか?彼らは社会の中で異質の人間なのか?それとも彼らは他者なのか?

強者が弱者を保護することとは、社会の中で成立する小さな架空の物語にすぎないのか?
この問いかけは、現代社会が生み出したものではなく、古くから社会の隅や影に事象されている、または隠蔽されていた問題である。

現在の情報化社会において、その隠蔽されていた問題群に関する情報を、我々はある程度入手することが可能になった。しかし、その白日の下にさらされたとみえる社会の中の弱者/他者とは、日常生活の中ではあくまでも他人であり、 どうでもいい存在である。

そのどうでもいい存在は、メディアなどで物語として吸収されたときにだけ、Majorityのものとして受容されていく。そして、「美しい物語」または「悲痛な声」として受容されたときにだけ映し出される彼らの「笑顔」に、違和感を覚える人々はいるだろう。声なき声とはあまり言いたくはないが。

このMinorityとMajorityとの差異、MajorityによるMinorityの同化(受容)のされ方、そして相互のぶつかり合いを出発点として今回のパフォーマンス作品を創作した。

総合演出
宗方勝(bug-depayse)
出演
中村千紗(爪跡)
篠原志奈(形態ZERO)
橋本京子
辻響平
赤崎千夏
玉井勝教(劇団芋屋)
野澤健
柴田貴輝(bug-depayse)
空間美術
音楽
映像
制作
遠藤千恵
安野太郎
藤原勝(bug-depayse)
bug-depayse