苔–koke–

November 2007

pit 北/区域

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本作品のイメージ作りは、先ず諦念から始まった。

「世界は変えられない」という諦念。
9.11にはじまる悲劇。
アフガン、イラク戦争。
北朝鮮、イランの核兵器開発と実験。
そういった世界のどこかで起こっている「ニュース」に対し、
「何かが間違っている」と感じる反面、
いたって平和で幸せな毎日を過ごしている。
しかし、そんな表層的な平和・幸せの背景にこそ、病魔は存在し、少しずつ蔓延している。
そんな予感と疑念が頭の中にまとわりつき離れないのだ。

その病魔とは、世界に対する「何も変わらない」「何も変えられない」というあきらめの感情。
(世界の定義を、個人個人の「日常」「社会」と置き換えてみるとさらにリアリティを持つ)
その感情は、目に見えないうちに個人個人の精神を蝕み内側へと追い詰め、
やがて行き場を失った精神は一気に放出するような形で個人を狂気へと誘う。

世界は全くいい方向に変わらない。という諦念。
わたしたちは繰り返すだけなのだろうか?

そういった思いが、不気味な感情の高ぶりを伴って作品創作へと駆り立てた。
今回の作品創作を通じ、「この世界への諦念を舞台に表象させる」ことによって、
鬱病のようなネガティブな精神からどう抜け出していけばよいか?
そういった問いかけを、参加者・観客の皆様とともに考えていければ、
と、ささやかな希望とともに、筆を動かしている次第である。

総合演出
宗方勝(bug-depayse)
出演
橋本京子(bug-depayse)
野本翔平(bug-depayse)
野澤健(bug-depayse)
玉井勝教(劇団芋屋)
篠原志奈
藤巻有貴(赤襟の会)
石川慶
風香(ASK)
武智圭佑(maguna-tech、tsuchigumo)
舞台監督
照明
音響
音楽
映像
制作
516
棚橋悦子(A.S.G)
bug-depayse
UKinEK
大場裕介(bug-depayse)
bug-depayse